女性の多くが悩まされている浮腫み

2017年07月1日

 

 

 

こんにちは、久が原、雪が谷大塚の近くにあるおんたけの安田です。

 

 

梅雨の時期は、気温や天気の変更により体調を崩しやすい季節です、ストレスをためないように体調管理には気を付けたいものです。

 

さて、今回は浮腫みについてです。

 

皆様は寝る前に水分を取りすぎた次の朝など起きたら顔がパンパンになっていたり、長時間の立ち仕事で夕方になると足が浮腫んで靴がきつくなった経験はありますか?そんな浮腫みについて書かせていただきます。

 

人間の水分(体液)量は?

人間の体の約60%~70%は水分(体液)でできています。この体液は細胞内液と細胞外液に大別され細胞外液はさらに血液、組織間液、リンパ液に分けられます。心臓から動脈を通って毛細血管に至った血液からは、組織間液が動脈の隙間から血管外に漏れ出しますその量は、1日約20ℓほどです。そして、各細胞で水分やたんぱく質、脂肪などの栄養分が利用されたあと、静脈の毛細血管に再び入ってきます。静脈に再吸収される組織間液の量は16~18ℓほどで残りの2~4ℓがリンパ管に入ってリンパ液となります。

 

浮腫みって何?

 

「浮腫み」とは体を作っている体液が余分に余った状態です。手や足だけでなく、顔や内臓などの全身どの部分にでもみられる可能性があります。

 

この余分な体液はどこからくるのか?

 

からだの中ではつねに毛細血管の中から外へ体液が「漏れ出し」ており、この漏れ出した体液によって細胞や組織に栄養分などが運ばれています。

 

一方、毛細血管には「再吸収」と呼ばれる働きがあり、血管外の不要物や水分を再び毛細血管内に取り込んでいます。また、リンパ管という体液を吸収する特別な構造もあります。

 

ふつうは、毛細血管からの「漏れ出し」と毛細血管による「再吸収」、「リンパ管による吸収のバランス」がとれており、この状態であれば体は浮腫みません。

 

しかし、何らかの病気で毛細血管からの漏れ出しが多くなったり、逆に毛細血管による再吸収やリンパ管の働きが悪くなると体液が血管の外に多く出てしまい、細胞や組織の隙間に体液があふれてしまいます。

 

とくに皮膚や皮下組織に体液がたまると目で見ても触ってもわかる「浮腫んだ」状態になります。

 

 

浮腫みの種類

 

浮腫みの種類には大きく分けて、生理的な浮腫み、全身的な病気による浮腫、局所的による病気による浮腫に分けられます。

 

 

A生理的な浮腫

 

生理的な浮腫みとは、日常生活で多くの人が感じている浮腫みで、ほとんどがその日中に改善するものです。

座りっぱなしや長時間立ちっぱなしなど同じ姿勢が続くことが原因になりやすいです。

同じ姿勢でいることで足の筋肉が使われずに血液を心臓に送り返す作用「筋ポンプ作用」が働かなくなり足が浮腫だりします。

また、水分や塩分の取りすぎやカリウムやマグネシウムが不足したり運動不足だと浮腫やすくなります。特に女性はホルモンの影響で生理前や排卵によっても浮腫みが出たりします。

 

 

B全身的な病気による浮腫

 

全身的な病気が原因で浮腫がみられる場合、全身性浮腫と呼び手や足だけでなく顔面や背中にまで浮腫みます。

全身性浮腫には、心臓性浮腫、腎臓性浮腫、肝臓性浮腫、その他があります。

 

 

1心臓性浮腫

 

心臓の働きが悪くなって心臓に血液が戻りにくくなると心不全と呼ばれる状態になります。この状態では静脈の血液が心臓に十分に戻れなくなるため毛細血管の静脈側の圧力が高くなります。

すると毛細血管からの漏れ出しが多くなり、毛細血管の再吸収も悪くなるので体全身が浮腫んできます。

 

2腎臓性浮腫

 

腎不全とは、からだの中の余分な体液を尿として体外に出す腎臓の働きが悪くなり過剰になった体液が血管の外にも多くなるため浮腫みがみられます。腎臓性浮腫は急性や慢性の腎炎でもしばしばみられます。

 

また、ネフローゼと呼ばれる腎臓からたんぱく成分(主にたんぱくのうちアルブミン)が尿の中に出てしまう病気もあります。

 

血管の中のアルブミンが減少すると血液が薄まったような状態になり、血管の外に体液が漏れ出しやすくなりこれも浮腫みにつながります。

 

 

3肝臓性浮腫

 

肝硬変とは、肝臓の障害によって肝細胞が大量に死んでしまい、肝臓の中に線維が増えて肝臓がかたくなった状態です。

 

肝硬変になると肝臓のはたらきが極端に低下し体の中でたんぱく分を作る肝臓の働きが悪くなりたんぱく分の中でもアルブミンが作られなくなります。

 

そのため、腎臓のネフローゼと同じく浮腫みが強くなります。同時に腹水が出ることもあります。

 

4その他

 

全身性浮腫を起こす病気はその他に甲状腺ホルモンが少なくなる橋本病(甲状腺機能低下症)は「粘液水腫」と呼ばれる全身的な浮腫みが特徴です。

 

また、甲状腺ホルモンが多くなるバセドウ病(甲状腺機能亢進症)でも一時的に浮腫みが強く出ることがあります。

 

そのほか、リウマチ、膠原病、炎症、妊娠に伴う浮腫、突発性浮腫、などがあります。

 

 

C局所的な病気による浮腫

 

手や足に局所的に病気が原因で浮腫みがみられることがあります。局所的な病気による代表的な浮腫として静脈浮腫、リンパ浮腫、があります。

 

1静脈性浮腫

 

静脈浮腫の原因となる病気には、深部静脈血栓症、静脈瘤、深部静脈弁機能不全症があります。

 

a,深部静脈血栓症は骨盤の中の太い腸骨静脈や大腿静脈・下腿静脈などの深部静脈に血栓ができた場合心臓に向かう静脈の血液が止まってしまうので、下肢に急激に血液がたまり、強い痛みが出たりパンパンに腫れたりします。

 

b,静脈瘤は風船がふくらむように壁の薄い静脈が膨れたものです。下肢の表面にある表在静脈が深部静脈に合流する部分で逆流防止弁がこわれて、静脈の血液が逆流することです。妊娠、立ち仕事、遺伝がきっかけで出ることが多い症状で女性に多いのが特徴です。

 

c,深部静脈弁機能不全は太くて大量の血液が流れる深部静脈で弁がこわれて、静脈の血液の逆流が起こることで外傷や手術、静脈内へのカテーテル挿入などが考えられますが生まれつき弁がない先天性のものもあります。この場合下肢のうっ血による浮腫みがみられます。

 

 

2リンパ浮腫

 

リンパ浮腫は、手術や放射線治療または外傷などでリンパ管が傷つけられたり、産まれつきリンパ管の発育が悪いことが原因となってリンパの輸送ができなくなり、本来リンパとなって運び去られるはずのたんぱく成分が多くなり、体液が組織間に残って浮腫んだ状態であるが、リンパ浮腫については解明されていないことがまだまだ沢山あります。リンパ浮腫の代表的な分類としては下記のように分類されます。

 

原発性(一次性)リンパ浮腫:リンパ浮腫の原因がはっきりしないもの

先天性リンパ浮腫:生まれてから3歳ごろまでに発症

早発性リンパ浮腫:35歳以前に浮腫を発症(原発性リンパ浮腫の大部分を占める)

晩発性リンパ浮腫:35歳以後に浮腫を発症

続発性(二次性)リンパ浮腫:リンパ浮腫の原因がはっきりしているもの

手術(子宮がんや乳がんなど)後や外傷後

フィラリア感染症(日本では少ない)

深部静脈血栓症など慢性静脈機能障害

悪性腫瘍の増悪(悪性リンパ浮腫)

その他

 

リンパ浮腫は女性に多く、35歳頃に妊娠・出産などの経験から全身的な病気にかかりやすいことから原発性を発症時期で早発性と晩発性に分けています。

個人差が非常に大きいのが特徴で全く同じ浮腫み方をする患者様はいません。また、リンパ浮腫を発症したからといってすべての患者様がすぐに悪化することはありません。

過度に心配しすぎることはありませんが早めの受診をおすすめします。

 

 

生理的浮腫みの予防法

 

生理的浮腫みでは日常生活のひと工夫で改善ができます。ふだんから積極的に1日1万歩を目標に歩くようにして足の筋肉を鍛えたり、時間が空いたときに足首を回したり、ストレッチをするなどして日ごろから浮腫みを溜めないように軽いうちから解消するようにしましょう。

また、足を心臓より10cm高くして寝たり、みぞおちから下だけをぬるめのお湯につかる半身浴や膝下だけを温める足湯などもおすすめです。

全身の入浴は一気に血流がよくなり心臓と血管に負担がかかりますが、半身浴や足湯などは心臓に負担なくゆっくりと血流が良くなり、足先手先まで温まり浮腫みが解消されます。

もちろん基本的な規則正しい生活習慣や食生活は欠かせません。

 

これから夏に向けて浮腫みの解消に役立つ旬な食材としてカリウムの多いバナナ・キウイ・キュウリ・枝豆や酸味を含むトマト・グレープフルーツ・お酢やビタミンEの多いモロヘイヤ・アーモンドやマグネシウムの多いピスタチオ・胡麻・くるみなどがおすすめです。

 

★当院では只今7月31日までフットオイルマッサージキャンペーンをおこなっています、是非この機会に浮腫み改善にお試しください。

 

久が原、雪が谷大塚在住の方も多数来院して頂いています。

 

 

 

注)体質によっては、マッサージをして食生活も改善したり運動しているにも関わらず浮腫みが改善されないこともあります。また、何日も浮腫みが取れない、余計ひどくなる、尿が出にくい、体調不良などを感じた場合は早めに病院に行かれることをおすすめします。

 

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