寝たきり
事故や病気によって寝たきりになったり、重症心身障碍者が寝たきりになったり、様々な症状で身体機能の低下により動けなくなり寝たきり状態につながっていきます。特に高齢者は転倒して骨折したり、風邪を引いたり、認知症が進行して寝たきりになる事が多い傾向にあります。そのため、「寝たきり」というと「高齢者の寝たきり症候群」を意味することもあります。また、介護用語では、6ヶ月以上ベッドで寝ている状態を「寝たきり」といいます。
高齢者の寝たきりの原因とは?
22年度版の厚生労働省の国民生活調査によると、65歳以上の人の要介護(継続して常時何らかの介護が必要とみなされる状態で要介護1~5までの5段階)の直接原因は1位脳卒中、2位認知症、3位高齢による衰弱・老衰、4位骨折、5位関節疾患です。
- 1位 脳血管障害(脳卒中)による脳神経の損傷
脳出血・くも膜下出血・脳動脈瘤破裂などの脳血管疾患が起きて脳神経を損傷すると運動機能が障害され寝たきりになる - 2位 認知症
アルツハイマー型認知症・レピー小体型認知症・脳血管性認知症など - 3位 高齢による衰弱・老衰
加齢とともに心身機能が衰え運動機能が激しく低下すると寝たきりになる - 4位 骨折
高齢者は骨粗鬆症が起きていることが多く、転んだだけで大腿骨の骨折などしやすく、治療でベッドに寝ていると筋力が衰え寝たきりになることが多い傾向にある
寝たきりの状態とは?
- 遷延性意識障害
遷延性意識障害とは自力で移動・摂食が不可能で糞尿失禁があり、声を出しても意味のある発語が全く不可能ですが簡単な命令にはかろうじて応じることができます。眼球は動いていても認識は出来ない状態で定時的にオムツ交換や誤嚥性肺予防のため痰の吸引と口腔ケアが必要で褥瘡を予防するために体位変換を行います
- 完全な寝たきり状態
完全な寝たきり状態とは自分でも介護されても起床出来ないが意識はある状態で水分・栄養・医薬品を口から摂取できる人と経口摂取が困難または不可能な人がいます。経口摂取ができれば食事などの介助をします。限定的に経口摂取ができる場合は介助して口から摂取できるようにしながら胃婁・経鼻胃管・点滴による静脈栄養になります。経口摂取が困難または不可能であれば胃婁・経鼻胃管・点滴による静脈栄養になります。定時的にオムツ交換や誤嚥性肺予防のため痰の吸引と口腔ケアが必要で褥瘡を予防するために体位変換を行います
- 準寝たきり状態
自力では起床できませんが介護を受ければ起床が可能です。介護を受けて、車椅子・椅
子・ソファ・ベンチ・トイレの便座に移動し、座っていることが出来ます。座位を保つことが可能です。水分・栄養分・医薬品の摂取については、経口摂取できる場合は食事などの介助をします。経口摂取が限定的な場合は、介助と胃婁・経鼻胃管・点滴による静脈栄養を併用します。経口摂取が困難または不可能であれば胃婁・経鼻胃管・点滴による静脈栄養になります。定時的にオムツ交換や誤嚥性肺予防のため痰の吸引と口腔ケアが必要で褥瘡を予防するために体位変換を行います
- 急性期・回復期
機能回復訓練(リハビリ)を行い、機能を回復するようにします。慢性期の患者様には、定期的に起床・車椅子・やベンチへの移動と座位の保持・トイレ便座での座位の維持をするように介護します。できるだけトイレに座って排泄できるようにリハビリ訓練を行います。
機能回復訓練(リハビリ訓練)は介護施設でも自宅でも病院でも行えます。自宅の場合は訪問介護・訪問リハビリで行えます。